東京オリンピックは玉手箱?

アーキ・ヴォイスの
コーディネーターです。

昨日取り上げた
「一蘭」の不法就労ですが、
現場の人手不足が背景にあると
考えています。

飲食業をはじめ、その他の業種の
取引先からも「人手が足りない」
とよく聞きます。

弊社の関連会社では、
会社の売買仲介を行っていますが、
関連会社のスタッフから聞いた話では、
ここ数年、IT関連企業から

「エンジニアの採用が難しい。
 人材紹介料で会社が買えるほどの
 金額になっているので、
 IT企業の売却案件があれば
 ぜひ紹介してほしい」

と言われているそうです。
とはいえ、そのような案件はすぐに
決まってしまうそうなので、
別の会社からは、

「マジョリティをもたなくていいので
(=経営上の支配権をもたなくていいので)、
 少額でも出資できてアライアンスが組める
 ところを紹介してほしい」

とも言われているそうです。

飲食業の店員や
ITのエンジニアなど、
いたるところ人手不足を
感じる現在ですが、今後、
2020年の東京オリンピック以降は、
日本の人口減少が進むため、
さらに人手不足が加速していきます。

昨年ベストセラーになった
河合雅司『未来の年表』
(講談社現代新書、2017年)
によると、今後の日本は
以下のように進行するそうです。

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 □ 2019年:IT技術者が不足し始め、
       技術大国の地位揺らぐ
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 → IT人材は2019年をピークとして
   2030年には約59万人不足する見込み

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 □ 2021年:介護離職が大量発生する
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 → 現時点で毎年約10万人が介護のために
   職場を去っている。団塊ジュニアが40~
   50代になる頃、さらにその数が増加

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 □ 2023年:企業の人件費がピークを迎え、
       経営を苦しめる
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 → 賃金のピークは50代前半と言われるが、
   団塊ジュニアが2021年以降、この年代に
   突入するため、企業の年齢構成が偏り、
   人件費がピークに達するとのこと

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 □ 2030年:百貨店も銀行も老人ホームも
       地方から消える
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 → 地方で人口が減少すると、サービスが
   維持できなくなり、百貨店、大学、病院、
   介護施設など様々な施設が地方から姿を消す

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 □ 2040年:自治体の半数が消滅の危機に
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 □ 2065年~:外国人が無人の国土を占拠する
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 → 2050年には、現在の居住地域の約20%が
   誰も住んでいない土地に転じるとのこと

以上、

『未来の年表』から
インパクトのある部分を
拾ってみたのですが、
人口減少が行きつく先の
イメージがとても明確です。

(なお、この『未来の年表』は
 後半に処方箋を示す、という
 構成になっています)

つらつらと考えていくと、
東京オリンピックは
「フタを開くと老化がはじまる」
という意味で、竜宮城の玉手箱の
ようなものなのかもしれません。