10年前のこんなトラブル

アーキ・ヴォイスの
コーディネーターです。
今日で営業日としては9月が最後。
今月は休日が多かったためか、
気が付いたら9月が終わり、今年も
残すところあと3カ月。
来週からいよいよ10月ですが、またもや
大きな台風(24号)が接近しているようですね。
週末から週明けにかけて列島を縦断するとのこと、
くれぐれもご注意ください。

さて、例年秋になると、
通訳のお問い合わせが急増します。
この時期、海外での会議の視察や、
国際会議、学会での通訳など、
イベントが集中するためです。
現在、英語の通訳者でも国内の
優秀な者はスケジュールが
埋まりつつあります。

通訳といえば昔、
通訳者を手配して
大きなトラブルがありました。

弊社は現在、通訳手配では
個人様からのご依頼は基本、
辞退しているのですが、
そのきっかけとなったのが、
10年前のこんなトラブルでした。

当時、まだ通訳や翻訳の手配は
大阪事務所が中心となっていました。

ある日、大阪事務所で
通訳コーディネーターが
相当困った顔をしています。

「どうしたの?」と周りが聞くと、

「現在、現場に行っている通訳者から
 電話があって、仕事の途中だけど、
 身の危険を感じるので、仕事を
 やめさせてほしい、と言われているんです」
 と困った様子・・・

「どんなお客様?」と他のスタッフが聞きます。

「○○という個人のお客様なんですが・・・」

 別のスタッフがお客様のお名前を検索して
 大声を上げました。

「あ!この人、指名手配犯だって!」

「えー!」スタッフ一同、仰天。

このときのお客様である○○氏の
ことをさらに検索して調べてみると、
どうも海外で日本人に危害を加え、
海外の警察で指名手配され、
その後、日本に帰国。
日本に潜伏しながら、弊社の通訳を使って
現地の警察と交渉をしようとしていたようです。

慌てて、上司が○○氏に電話をし、
全額返金するので、これ以上は
弊社としてお仕事を引き受けられない旨を説明。

社内で相談した結果、
通訳者の安全が第一、
そのため全額返金し、
お仕事を途中で中止しました。

その後、警察の方々が来られ、
「○○容疑者の通話記録を調べると、
 最後の通話の場所がここで・・・」と言って、
担当スタッフにいろいろなことを
聞いていました。

後で聞くところによると、
○○氏は日本で逮捕され、
その後、海外の警察に身柄を
引き渡されたそうです。

10年前のこの事件がきっかけで、
個人様からの通訳手配は原則、
お断りとなりました。

(なお、大学の先生といった、
 法人に所属されているが個人として
 ご発注される方などは例外です。)

お仕事をお引き受けする際も、
新規のお客様の場合、お取引前に
お客様のWEBサイトを確認させていただき、
不明な場合は調査会社を利用して、
事前にお引き受けできるかどうか、
確認をさせていただいています。
場合によっては、お取引を辞退させて
いただく場合もあります。

この時期、通訳案件が増加していくのを見ると、
慌ただしくてもきちんと確認すべきことを
おさえていくことが必要だと考えます。