翻訳の仕事はなくなるのですか?

アーキ・ヴォイスのコーディネーターです。
さて今週、翻訳に関する記事が
『日本経済新聞』に出ていたので、
ご紹介できればと思います。
興味のない方はスルーしていただければ。。。

(1)
まずは今週火曜の記事。

 「訪日客向け翻訳アプリ
  ヤマハ、18年春から提供」
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21776890S7A001C1L61000/

ヤマハは来春、
日本語アナウンスを外国語の文字に訳す
「おもてなしガイド」アプリを
無料提供するそうです。
企業でカスタマイズ利用する場合は
有料になるとのこと。

この「おもてなしガイド」、
日本語で流れる自動アナウンス音声を
アプリが聞き取り、アプリの画面上に
翻訳された文字が表示される仕組みです。

対応言語も、日本語、英語、中国語簡体字、
中国語繁体字、韓国語、タイ語、フランス語、
スペイン語、インドネシア語など、13言語。

この「おもてなしガイド」、
通常の音声翻訳と違い、
騒音に強いという特徴があるそうです。
ヤマハが培った電子ピアノの
デジタル技術がベースになっているとのこと。

(演奏中、音符の流れから楽譜のデータベースを
 引っ張ってくる技術が応用されているそうです)

ちょうど2年前の2015年に
成田空港や関西空港などで
実証実験がはじまり、
さまざまな交通機関にも
実験導入されてきました。

いよいよ正式版が来春リリース。
ヤマハはこのサービスを
2020年までに4000カ所以上への
導入を目指すそうです。

同様の製品で、パナソニックの
メガホン型音声翻訳サービス
「メガホンヤク」とともに、
注目したいと思います。

(2)
こうした国内の自動翻訳サービスや
製品は、日本のNICT(情報通信研究機構)の
VoiceTra技術を基盤にしていたり、
連携したりしています。

今週気になったもう一つの記事は
海外の動向。昨日の記事です。

 「米グーグル、翻訳するイヤホン
  新型携帯と同時利用で」
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21912180V01C17A0EAF000/

人口知能(AI)の黒船、米Googleが今月、
新型スマートフォン「ピクセル2」を
リリースしますが、同時に、
自動翻訳機として使えるイヤホンも
販売するとのこと。

このイヤホンは「ピクセルバズ」という名前で、
新発売のスマホに繋ぐと翻訳機になるそうです。

イヤホンをつけ、右耳に触れ
「ヘルプミー、スピークイタリアン」
と話してから英語をしゃべると、
スマホのスピーカーから
イタリア語が翻訳されて流れるそうです。
逆に、相手がイタリア語で返事をすると、
イヤホンを通じて英語になるそうです。

このイヤホン、日本語を含む
40カ国以上の言語に対応するそうですが、
近未来SFのような世界で驚きです。

以上、今週立て続けに報道された
翻訳を身近に行うサービスを取り上げました。

日本国内に関していえば、
2020年のオリンピックに合わせて。
また海外の動向で言えば、
発展した人工知能との関係で、
それぞれ、自動翻訳サービスが
身近になってきています。

追記

ご存知のように、
弊社は人力翻訳、人力通訳手配を
扱っているため、お客様から
よくこんなことを聞かれます。

 「機械翻訳の発展で、御社の仕事、
  なくなるんじゃないですか?」

現時点では実感ないのですが、
AIが発展していくと、
いずれ弊社が扱っている
翻訳や通訳といった仕事は
なくなってしまうかもしれません。

以前取り上げましたが、AIの世界では
「ディープラーニング」という
ブレークスルー技術があらわれました。
Googleのニューラルネット翻訳などは
こうした技術が活用されています。

どの時点で弊社の仕事に
影響があるのでしょうか?

機械翻訳の発展や
人工知能と翻訳の今後は、
非常に楽しみにしています。