その表現は【ですます調】?それとも・・・

こんにちは。
アーキ・ヴォイス翻訳コーディネーターのオーです。

毎週月曜日の弊社コーディネーター・ミーティングにて、
お客様から寄せられる質問に関し、チームリーダーが
レクチャーした内容をお伝えしたいと思います。

本日は、【文体】についてです。
ご興味ございましたら、ご確認くださると幸いです。

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■■その表現は【ですます調】?それとも・・・■■

意外に多い翻訳におけるトラブルとして、数字周り
などの例を共有してきましたが、
日本語訳において特に多いのが【日本語文章の文体】に関することです。

文体といえば【ですます調】か【だである調】ですが、
例えばお客様より「丁寧な文章で納品してください」
と言われた場合に、思い込みにより生じる連想として、
「丁寧な文章」=【ですます調(敬体)】というものがあります。

しかし例えば、契約書といえば丁寧に翻訳をしなければ
ならない文書ですが・・・
契約書は契約書でも法人間の売買契約書ならば【だである調(常体)】、
一般消費者向けの規約のような内容であれば【ですます調(敬体)】を
使うことが多いように、「丁寧な表現」と言っても
文体は必ずしも【ですます調】とは限らないわけです。

他、例えば【学術論文】や【小論文】なども「丁寧な表現」で
翻訳をお願いされますが、
一般的には【だである調】で作成することがほとんどだと思います。
新聞などの記事を翻訳する場合も、同様です。

つまるところ、
「丁寧な表現」イコール【ですます調】と判断をしないことが大切です。
世の中一般的な使い分けを認識しつつ、
お客様による【翻訳物の使用用途】を確認し、
「その使用目的であれば【ですます調】がよろしいですね」などと、
お客様とともに文体を決定することを徹底してください。

(以上、ミーティング内容より)
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翻訳でも通訳でも【依頼の目的】に応じて、
文体はもちろん通訳者の性格なども加味した提案をすることが、
お客様の【依頼の目的】を成し遂げるかどうかを決めるのだと思います。

一層、精確なヒアリングをすることでお客様のお役に立てるよう、
努力していきたいと思います。