ペルシア語(ペルシャ語)を話す国は?英語は通じる?歴史や特徴を解説


ペルシャ語は主にイランをはじめとして、多くの国で使用されています。ペルシャ語の起源は紀元前6世紀にあると言われており、歴史が長い言語です。

この記事では、ペルシャ語が使用されている国や特徴、注意点、またペルシャ語圏で英語がどれくらい通じるかなど、現地の実状をわかりやすく解説します。

ペルシア語(ペルシャ語)を話す国は?

ペルシャ語は中東地域で使用されている言語です。総話者は約1億人、母国語としてペルシャ語を話す人の数はおよそ4,600万人と言われています。ペルシャ語を使用している国は以下です。

  • イラン
  • アフガニスタン
  • タジキスタン
  • ウズベキスタン
  • アゼルバイジャン
  • ロシア
  • イラク

イランでは人口の約50%がペルシャ語話者となっています。

また、アフガニスタン、タジキスタンではペルシャ語は別名で呼ばれているのが特徴です。アフガニスタンではダリー語、タジキスタンではタジク語という名称ですが、いずれもペルシャ語を指します。

タジキスタンでは人口の約8割がペルシャ語を母語としている主要言語になっています。

ペルシア語(ペルシャ語)の歴史とは?

ペルシャ語は長い歴史を持つ言語です。

ペルシャ語の起源は、紀元前6世紀のペルシャに存在したアケメネス朝まで遡ります。ペルシャ語の起源である「古代ペルシャ語」と呼ばれる楔形(くさびがた)文字は、紀元前6世紀から紀元前4世紀ごろまで使用されていました。

その後、226~651年まで存在したと言われるサーサーン朝では「中期ペルシャ語」が公用語でした。中期ペルシャ語はパフラヴィー語とも呼ばれ、かつての中東の公用語であったアラム文字という文字から派生したパフラヴィー文字が用いられていました。

その後、9世紀ごろから誕生した「新ペルシャ語」が、現在のペルシャ語の基となっています。新ペルシャ語は現代ペルシャ語とも呼ばれ、アラビア文字を改良したペルシャ文字を使用しているのが特徴です。

新ペルシャ語は次第にイスラム文化圏に広がり、中央アジア、南アジアなどに拡大していきました。

ペルシア語(ペルシャ語)圏で英語は通じる?

ペルシャ語圏で英語が通じるかどうかは国によって様々です。

イラン

ペルシャ語圏のイランでは、英語を話すことができる若者が多い印象です。というのも、イランでの外国語教育は英語とアラビア語となっています。英語教育が整っているため、若者を中心に英語が通じます。

また、英会話スクールの多さや、TOEFL・IELTSなどの英語力を測るテスト対策を謳う広告も街中にあふれており、英語への需要がうかがえます。

その他のペルシャ語圏での英語力

イラン以外のペルシャ語圏であるアフガニスタンやウズベキスタンですが、あまり英語は通じません。観光客が多いお土産ショップやホテルなどは、かろうじて英語が通じることもありますが、その他の場所ではあまり期待しないほうがよいでしょう。

そのため、ビジネスシーンではプロの翻訳者や通訳者がいると安心です。

ペルシア語(ペルシャ語)の特徴や注意すべきポイントは?

ペルシャ語の特徴

ペルシャ語は、インド・ヨーロッパ語族に属している言語です。ペルシャ語のアルファベットは32文字から成っており、このうち28文字はアラビア語文字です。また、アラビア語と同様に右から左に向かって文章を読むのが特徴となっています。

英語にあるような大文字・小文字の区別はありませんが、単語の初め、語中、語尾で書く場合によって文字の形と意味がそれぞれ変化します。

ペルシャ語の単語「کتاب」(ketab)の例を見てみましょう。

  • (ketab)…意味:本
  • (ab ketab)…意味:水と本、「آب」(ab)が語頭に来る
  • (ketab-khān) 意味:読書家
  • (ketab-hā) …意味:本(複数形)、名詞の複数形「-ها」が語尾に追加される

このように同じ単語「کتاب」でも、単語の初め、語中、語尾どこで使われるかによって形態が異なります。

注意すべきポイント

ペルシャ語は日本語の語順と異なり、右から左へと読み書きします。ビジネスシーンで翻訳が必要な際は、ペルシャ語に対応したソフトや細かな配慮が必要となります。そのため、ビジネスシーンなど公式の場でペルシャ語が必要な場合は、プロの翻訳や通訳会社に任せるのが安心です。

ペルシャ語とアラビア語 

ペルシャ語は、アラビア文字を使う点や、右から左へ読む語順などアラビア語と共通点が多いように見受けられます。

しかし、言語としてペルシャ語とアラビア語は似て非なる言語です。

まず文字についてですが、アラビア語が28文字であるのに対し、ペルシャ語はさらに4文字を加えた32文字で構成されています。また、ペルシャ語がインド・ヨーロッパ語族に属しているのに対し、アラビア語はセム・ハム族に属しています。

加えてアラビア語にある女性名詞や男性名詞という区別は、ペルシャ語にはありません。このように、一見似ているように思われるペルシャ語とアラビア語は、大きく異なるという点を覚えておきましょう。

【まとめ】ペルシア語(ペルシャ語)は中東地域を中心に話される。アラビア語とは似ているようで全く異なるので注意

ペルシャ語は、中東を中心に使用されている言語です。アラビア文字を使用する点や、右から左へ読むなどの語順など、ペルシャ語はアラビア語と共通点が多いように見受けられます。しかし、文字構成や語族、女性名詞や男性名詞の区別といった点でアラビア語とペルシャ語は大きく異なります。

特にペルシャ語がビジネスシーンで必要な場合は、プロの翻訳・通訳会社に任せるのが安心です。

アーキ・ヴォイスならペルシャ語の翻訳・通訳の実績が豊富なため、ニーズに適した質の良い翻訳・通訳が可能です。 ペルシャ語の翻訳・通訳のご相談なら、ぜひ一度アーキ・ヴォイスまでご連絡ください。


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