インドネシアは何語を話す?言語の種類や特徴を解説


東南アジアに位置する島国インドネシア。日本人にとっては、人気観光地であるバリ島が馴染み深いのではないでしょうか。インドネシアは300の民族と500以上もの言語を持つ多民族国家です。今回は、そんな多民族・多言語国家のインドネシアで話されている言語や公用語、言語の特徴などを解説していきます。

インドネシアの公用語は?

インドネシアは、東南アジアに位置し、1万3,000以上の島から成り立つ世界でも有数の島国です。人口は2023年時点でおよそ2億7,750万人と言われており、世界第4位となっています。また、多言語国家であるインドネシアでは、500以上もの言語が使用されています。

そんな多言語国家であるインドネシアでの公用語は「インドネシア語」です。

現在、インドネシア語の総話者数は1億6,500万人 ほどいると言われています。

しかし、インドネシア語が国の公用語に指定されたのは1928年のこと で、公用語としての歴史は比較的浅いです。それではなぜ、インドネシア語が公用語に採用されたのでしょうか。インドネシア語の歴史を紐解いてみましょう。

インドネシア語の歴史

インドネシア語の起源は、7世紀ごろにさかのぼります。

当時、スマトラ東海岸やマレー半島で広く使用されていたムラユ語(マレー語)がインドネシア語の起源だと言われています。ムラユ語は比較的学習がしやすいという理由で、マレー半島、スマトラ島、ジャワ島などを中心に広く浸透しました。

また、1799年よりオランダ領であったインドネシアでは、独立を求める民族主義運動が高まっていました。1926年になると、現在のジャカルタで「第1回インドネシア青年会議」が開催されました。

1928年に開催された第2回「インドネシア青年会議の青年の誓い」では、インドネシア語の話者が多いこともあり、インドネシア語が公用語に認定されたのです。

ちなみに「青年の誓い」とは、当時のインドネシアにおける民族主義者たちが謳った「一祖国、一民族、一言語」という、国が独立する起源となった誓いです。

インドネシアで話される他の言語は?

インドネシアでは500以上もの言語が話されていると前述しました。ここでは公用語のインドネシア語以外に、インドネシアではどのような言語が使用されているのかご紹介します。

ジャワ語

多民族国家であるインドネシアでは、人口のおよそ45%がジャワという民族です。ジャワ人はおもに「ジャワ語」を使用しており、ジャワ語はジャワ島東部や中部で広く母国語として使われています。

また、ジャワ語には日本語のように「敬語」という概念がある、というおもしろい特徴があります。ジャワ語の敬語には、主に普通体である「Ngoko体」と丁寧体の「Krama体」が存在します。丁寧体の「Krama体」は、フォーマルな場や目上の人に対して用いられることが多いです。

ここでは、「お家に伺えて嬉しいです。」というジャワ語の例文を普通体と丁寧体で比較してみましょう。

  • 普通体「Ngoko体」:Aku seneng banget nang omahmu.
  • 丁寧体「Krama体」:Kulo seneng amat nang dalem omahipun.

どちらも同じ内容ですが、同じ単語は「嬉しい」という意味の「seneng」、「~に」という意味の「nang」のみで、普通体と丁寧体ではかなり言葉が異なることが伺えます。

スンダ語

インドネシアのジャワ島西部で話されているのが「スンダ語」です。スンダ語の話者はおよそ4,200万人と言われており、インドネシアの人口の約15%に相当します。

スンダ語を話すのは主にスンダ人で、水稲耕作などの農業を仕事としている人が多いです。スンダ語の文字にはラテン文字が使用されており、7の短母音と12の子音から成り立っています。ジャワ語と同じように、敬語という概念があるのが特徴です。

インドネシアで英語は通じる?

インドネシアの英語教育は、日本での小学校にあたる年齢で始まることが多いです。比較的早い段階で英語教育が始まる一方、インドネシア人の英語力は日本人と互角であるというデータが出ています。

また、首都のジャカルタや観光地のバリなどでは英語が通じることが多いですが、地方ではあまり英語が通じません。そのため、ビジネスシーンなどでインドネシアに行く際は、英語が通じることをあまり期待せず、インドネシア語の現地通訳者がいると安心です。

インドネシア語の特徴や注意すべきポイントは?

インドネシア語の特徴や注意点について解説します。

アルファベット表記・発音はローマ字読み

インドネシア語は、英語と同じく26文字のアルファベットで表記します。また、発音はローマ字をそのまま読んでしまえば大丈夫です。例えば、「本」という単語はインドネシア語で「Buku」で発音も「ブク」となります。

英語の発音に苦労する日本人にとって、インドネシア語の発音は比較的易しいのではないでしょうか。

文法がシンプル

インドネシア語には、動詞の時制変化がないので文法がシンプルで簡単です。

例えば英語で「昨日学校に行った」という文は「I went to school yesterday.」で、「go」という動詞の時制を過去形の「went」に変える必要があります。しかし、インドネシア語の場合、以下のように動詞の時制を過去形に変える必要はありません。

「Saya pergi ke sekolah kemarin.」(昨日学校に行った)

「昨日」という単語である「kemarin」を「学校に行く」という文章に付ければ、「昨日学校に行った」という過去形の文が完成するのです。

インドネシア語の注意点

インドネシア語は、発音がローマ字でよい、文法がシンプルであるなど比較的扱いやすい言語だということを紹介しました。一方で、「公用語表現」と「日常語表現」が存在する点には注意が必要です。

「公用語表現」とは、ビジネスなどのフォーマルな場で使われる表現のことを指します。公式の場で「日常語表現」を使ってしまうと、失礼に値する場合もあるので使い分けには注意が必要です。

ビジネス文書や対面の場でインドネシア語が必要な場合は、プロの翻訳会社や通訳者に任せるのが安心でしょう。

【まとめ】インドネシアはインドネシア語が公用語。しかし地域によって話される言語は様々で英語は通じにくい

多言語国家であるインドネシアの公用語は「インドネシア語」になります。一方で、ジャワ語やスンダ語など地域によって話される言語が異なります。英語は首都や観光地では通じることも多いですが、地方ではあまり話せる人はいないでしょう。

インドネシア語は発音がローマ字読みであったり、文法がシンプルであったりすることから、比較的易しい言語だと思われるかもしれません。しかし、フォーマルな場で求められる「公用語表現」と、それ以外で使用される「日常語表現」の使い分けには注意が必要です。

特に、ビジネス文書やビジネスシーンでは、プロの翻訳・通訳会社に任せるのが安心です。

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