イスラエルの言語は?英語は通じる?イスラエルの言語にまつわる知識


ユダヤ教の聖地であり、近年はIT立国としてビジネスで注目されているイスラエル。エルサレムの旧市街をはじめ魅力的な観光スポットも多く、周辺エリアでは有数の商業地域としても有名です。

中東地域では英語の通用度の高い国と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。今回はそんなイスラエルの公用語、そして公用語以外の言語や英語の通用度について解説していきます。

イスラエルの公用語は?

イスラエルにおける公用語はヘブライ語です。

元々はイスラエルは中東地域ということもあり、ヘブライ語とともにアラビア語が公用語とされてきました。理由としては、地理的な事情からヘブライ語を話すユダヤ系民族とアラビア語を話すアラビア系民がともに居住しているということが挙げられます。

しかし、2018年7月にイスラエル国会で可決された「ユダヤ人国家法」により、公式の公用語からアラビア語が除外され、同国の公用語はヘブライ語と定められました。

ヘブライ語の歴史

現在ではイスラエルの主要言語として活用され続けているヘブライ語ですが、その歴史はとても古いです。ヘブライ語にはおよそ3200年以上の歴史があり、2023年時点で確認されているもっとも古いヘブライ語碑文は紀元前千年紀の始めのものと言われています。

古くはヘブライ語は、紀元前13世紀から紀元前2世紀のヘブライ語聖書が編纂された時期に多く活用されてきました。しかし紀元前2世紀の始め以降、ユダヤ人が各地で迫害されたことから、さまざまな地域に移住するようになり、ヘブライ語はあまり使われなくなってきます。

それでも多くのユダヤ人は本来の伝統や慣習を大切にし、独自の言語であるヘブライ語を守ってきました。こうした努力もあり、現在でもイスラエルをはじめ世界各地のユダヤ系のコミュニティでヘブライ語が使用されています。

ヘブライ語と日本語の共通点

日本とは地理的に遠く、言語的にヘブライ語と日本語には共通点がないと思われるかもしれません。しかし、ヘブライ語と日本語にはいくつかの共通点があります。

まず発音と意味が同じ単語が存在することです。例えば、日本語の帝(みかど)と同じ発音であるヘブライ語の単語「ミカドル」には、「高貴な人」という意味があります。

他にも日本の伝統である相撲には、ヘブライ語と同じ単語が使用されていることで有名です。「はっけよい のこったのこった」という言い回しを見ても、ヘブライ語の「投げろ」という意味の単語のハッケや、「投げた、やった」という意味のノコッタノコッタが使われています。

これ以外にも、ヘブライ語と日本語には類似点がいくつか見られ、さまざまな考察を調べてみるのも面白いでしょう。

イスラエルで話される他の言語は?英語は通じる?

イスラエルは英語の通用度が高いと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。実状を1つずつ解説していきます。

旅行でのちょっとした会話程度であれば英語が通じる

大都市テルアビブをはじめ、イスラエル国内の主要都市では英語を流暢に話す人が多いです。実際に旅行であれば英語だけできれば特に問題はありません。

例えば、イスラエルのハブ空港であるベン・グリオン国際空港では、空港職員が流暢な英語を使用します。イスラエルの英語は比較的アクセントに癖がなく、英語があまり得意ではない方でも聞き取りやすいです。

これはイスラエルの歴史が関係しており、世界中に離散してきたユダヤ人が集まってきた背景から、イスラエルでは英語が学習されてきています。さまざまな地域からやってきたイスラエル人にとって、英語は異なる背景を持つ人とコミュコミュニケーションをとるための必須のツールです。

ヘブライ語ができないと困ることが多い

イスラエル国内を見てみると、民間施設の看板には多くの国と同様に英語表記が見受けられます。しかし、公共交通機関の表示は原則としてヘブライ語しかありません。また、英語を全く話さない人が少なくないのも事実です。ユダヤ教の正統派と呼ばれる宗教色が強い人の場合、信条的な理由から英語はあまり話しません。

イスラエル国民800万人の2割を占めるアラブ系の人々も、アラブ語以外ではヘブライ語を使用する頻度が多いです。そのため、ビジネスを目的としてイスラエルに行く場合、ある程度ヘブライ語が通じる状態にしておかないと困ることがあるでしょう。

ヘブライ語や英語以外で話されている言語

ヘブライ語以外では、前述したアラビア語がイスラエルでは使用されています。こうしたことから、中東地域の言語が話されているという認識を持っている方もいるでしょう。

しかし、イスラエルはさまざまな地域から人が集まってくる性質を持つことから、これ以外にも多くの言語が使用されている光景が見受けられます。例えば、フランス語から移住してきた人であればフランス語を、ロシアから移住してきた人であればロシア語を使う頻度が多いです。

このように、イスラエルに移住してからも自分がかつて住んでいた国の言語を使って話している人は少なくありません。

ヘブライ語の特徴や注意すべきポイントは?

そんなヘブライ語にはさまざまな特徴や注意すべきポイントがあります。1つずつ解説していきます。

文字と発音

ヘブライ語は22文字から構成されており、アルファベットと比べて少ないです。

代表的なヘブライ語の文字としては、אがアルファベットのaに該当し、ג    はgに該当します。発音に関しては日本人に聞き慣れない喉を使う子音がいくつかあり、慣れていないと少し戸惑うかもしれません。

しかし、日本語と同様5母音がしっかりしているため、英語と比べて比較的リスニングが簡単であると言えます。

文字は右から読む

ヘブライ語では文字は右から読むのが基本です。

ヘブライ語にはじめて触れる方の場合戸惑うことが多いですが、一度慣れると違和感なく文字を読むことができます。そもそもかつての日本では文字を右から左へと書いていき、右から読むようにしていました。

こうしたことを考えると、ヘブライ語と日本語の類似点が垣間見えて面白く感じられるのではないでしょうか。

文法の特徴

ヘブライ語には英語におけるbe動詞がありません。

そのため、英語と比べると文の組み立てが比較的簡単にできるでしょう。英文法や英作文で苦労してきた人からすると、こうした点からヘブライ語が楽に思えることも少なくありません。

ただ文法事項ではいくつか注意しなければならないことも。名詞、動詞、形容詞はすべて性別があり、数についても一致させなければなりません。

例えば、“ספר” (sefer) は男性名詞であり、単数形では “本” を意味し、複数形では “本たち”を意味します。英語と異なり、ヘブライ語では文法的性別があるため、英語学習に慣れ親しんできた人にとっては注意が必要です。

この他にも学習しなければならない文法事項が数多くあります。ただこれはどの言語にも言えることなので、ヘブライ語が特別難しいというわけではありません。

【まとめ】イスラエルはヘブライ語が公用語。英語は通じないこともしばしば

イスラエルはヘブライ語が公用語として使用されています。

また、さまざまな国や地域から移住してきた人々から構成されている背景から、英語が通じることも多いです。ただし、市街地では公共交通機関をはじめ、ヘブライ語が表示されており、宗教的な理由から英語をあまり話さない人も少なくありません。

そのため、ビジネスでイスラエルとの交流を持つにあたってはヘブライ語ができる人材が必要とされるでしょう。

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