【翻訳の目的】は・・・なんでしょう?

こんにちは。アーキ・ヴォイス翻訳コーディ
ネーターのオーです。

意外とよくある翻訳依頼の中に【訳文の文字
数制限】、がございます。

例えば、デジタルカメラの液晶画面がありま
すよね。撮影モードやフラッシュのオンオフ
などを操作するメニュー画面です。

あの液晶画面に登場可能な【文字数の制限】
がある場合、日本語原文や英語原文はもちろ
ん、翻訳後の訳文にも同じく制限がかかるこ
とが多いです。

例えば、「六月」という日本語原文がありま
す。日本語では全角2文字です。これを英語
に翻訳すると “June” となりますので半角
4文字です。

大体、【文字数の制限】は原文に準じること
が多く、この場合は、「全角2文字、もしく
は半角4文字まで」という制限になるわけで
す。

では、「全角2文字、もしくは半角4文字
まで」に収まらない場合はどうするの
でしょう?

この場合、大体3つの方法で対処します。

■省略形があるなら、省略形にする。
 ※Juneの場合、”Jun.” “Je.” “Ju.”
でしょうか。
■意訳するなどし、別の単語に置き換える。
 ※正直、字数によってはこれは非常に
難しいです。
■英語表現を代用する。

上記3つの方法を採用する理由は【翻訳物の
使用用途】、つまりこの場合はデジタルカメ
ラの使用者にとっての使いやすさを考え、
翻訳する必要があるからです。

そして、それでも制限内に収まらない
場合は、お客様に【文字数の制限】を外す
ことができないか、【翻訳物の使用用途】を
説明しつつ、お願いしてみます。

しかし・・・

完成した製品の仕様を変更することはコスト
の関係などから難しいようで、【文字数の制
限】が優先される事が多いのが現実です・・
・。
※過去にはドイツ語やチェコ語など、1単語
あたりの文字数が多い言語において、15文字
の単語を3文字に無理やり短縮した例もあり
ました・・・。

お客様からの要望に応えなければならない
ことを認識しつつ、【翻訳物の使用用途】を
お客様の視点から考えると、【使い勝手の
良い翻訳物であること】が購入者・使用者の
満足度を高めるわけですから・・・

私たちは【翻訳の目的】をお客様と確認し
合う事こそ、まず最初に行うべきなのかも
しれないですね。